TCP/IPとインターネットの仕組みに戻る

WWW (World Wide Web)の仕組み

目次

  1. WWWとは
  2. クライアントとサーバの通信例

WWWとは

WWWはマルチメディアデータを扱う 人が見る形の情報を交換するために、従来からE-mailや ネットニュースなどが用いられて来ました。 これらのシステムで交換される情報はすべて文字ベースのもので テキストメディアだけを用いたものでした。

これに対してWWWで運ばれる情報は、文字のみならず、静止画像、 動画像、そして音声も含んだものです。このように文字のメディア だけでなく、他のメディアも含んだ形の情報をマルチメディア の情報といいます。これを交換するためのシステムがWWWなのです。

WWWは分散データベース またこの情報は世界中に分散してはいますが、リンクによって 他のサイトのページとリンクしており、あまり意識せずに 他の場所にある情報にも簡単にアクセスすることができます。 このような仕組みからWWWの名前がつけられました。 その World Wide Web の名前の通り、クモの巣(web)のような リンクによってつながっているからです。
WWWワープロ文書を転送するようなもの このような美しい絵が入ったマルチメディアの情報を配布できる ようになったので、商品を扱っている会社は従来のようにパンフレットなどを 紙に印刷して配布するだけでなく、このパンフレットの情報をネットワークで ユーザのパソコンに転送して、見せることが可能となりました。

これを実現するためにそのパンフレットを配布したい会社は サーバにそのパンフレットの内容が入っている文書を置いておいて、 ユーザがアクセスしてきたら、この文書をユーザのパソコンに転送して、 それを表示します。

つまりWWWを使うことは、会社が用意したパンフレットの内容を含む ワープロ文書をとって来て見ているようなものなのです。

文書の形式はHTML これを行うのがWWWのシステムですが、問題になるのはそのデータの形式です。

ある会社はワードの文書、別の会社は一太郎で、また別の会社は 他のワープロソフトと、統一されていないとすると、ユーザは それぞれに対応するワープロソフトを持っていなければ内容を 見ることができません。

これでは不便なので、WWWで扱う文書の形式はHTMLという形式 をつかうことに決められています。

ブラウザはHTMLの文書を表示するソフト このようにして転送された文書を表示するソフトがブラウザです。 ワープロから編集機能を除いた、文書を見るためだけのソフトです。

Netscape Navigator や Internet Explore はサーバから html形式の文書をとって来て、その文書を表示する仕事を しているのです。

クライアント(ブラウザ)とサーバの通信

通信例 ではブラウザとWWWサーバはどのような通信を行っているのでしょうか。

telnetを使って試して見ましょう。以下のように80番ポートに接続して、 GET コマンドを発行します。

% telnet www.kitakyu-techno-ctr.co.jp 80
Trying 210.160.116.130...
Connected to hibiki.kitakyu-techno-ctr.co.jp.
Escape character is '^]'.
GET /index.html
<HTML><HEAD>
<TITLE>Kitakyushu Technology Center Homepage</TITLE>
  :
  :
  :
%
赤く表示された部分が入力した部分で、他の部分はサーバからの応答です。

httpプロトコルで通信する場合は、改行コードは"CR"ではなく"CRLF" でなければなりません。(使っているターミナルソフトの設定が 必要となる場合があります)

GETコマンドの部分は "GET /index.html HTTP/1.0"のように プロトコルのバージョンを指定して、コマンドの後で 数回returnキーを押す必要がある場合があります。

telnetを使った特定ポートにアクセスについては 「telnetの使い方」の「ポートを指定して使おう」を参照してください
ここで "GET /index.html"とやっているので www.kitakyu-techno-ctr.co.jp上で動いているWWWサーバ で設定したルートディレクトリの/index.htmlをとって来ているのです。

ここでとって来るデータはブラウザで "http://www.kitakyu-techno-ctr.co.jp/index.html" を指定した場合と同じものです。

WWWの通信ではhttpプロトコルを用いる ここで、GETというコマンドを送信していますが、このコマンドは HTTP(Hypertext Transmission Protocol)で規定されたものです。

WWWにおけるクライアントとサーバの通信はすべてのこのプロトコル に従っていなければなりません。このプロトコルについては rfc1945(HTTP/1.0),rfc2068(HTTP/1.1)で規定されています。 詳しくはそちらを見てください。

ブラウザで "http://www.kitakyu-techno-ctr.co.jp/~fujiki/index.html" とURLを打ち込むことは、www.kitakyu-techno-ctr.co.jp というマシンに httpプロトコルで規定されているポート80に接続し、 そこで http プロトコルを使って、このマシンの ~fujiki/index.html のパスにあるファイルをとってくるという意味なのです。


「TCP/IP とインターネットの仕組み」へ戻る