メールサーバの構築

インターネットに参加するには何が必要なのかを説明します

メールサーバを構築するにはEmailのしくみを知っておく必要があります。 この仕組みについては 「E-mail電子メールの仕組み」のページをご覧ください.

MTA(Mail Transfer Agent)の選び方

メールの転送に使われるサーバはいろんなものがありますが、 それぞれ特徴を理解して選択する必要があります。 私がお勧めするサーバの選択を説明する前に、 それぞれのサーバの特徴を以下に示します。

SMTPサーバ名	特徴
qmail	非常に高速で安全なMTAですが、メールボックスに MailDirという形式を用います。 またエイリアスなどのアドレスの拡張などに優れます。 従来からUNIX上で動くmbox形式のメールボックスを扱う ツールはそのままでは利用することはできない場合が 多いようです。
Postfix	sendmailに替わる者として開発されているもので、安全 で設定が容易なツールです。qmailと比較しても、 スピードの面でも見劣りしません。mbox形式のメールボックスを 使うので,sendmailからの移行も容易です。
sendmail	おそらく最も多く使われているデファクトスタンダードのMTAです。 でもセキュリティーホールが多く、スピードの面でも見劣りします。 しかし、細かな制御が可能です。

POP,IMAPサーバ名	特徴
qpopper	APOPにも対応していてPop before SMTPのパッケージなどもある 広く使われているpopサーバです
wu-imap	IMAPのrfcを筆者がいるWashington Universityで開発されている もので、実装のリファレンス的存在です。 mbox形式のスプールを使います.
cyrus-imap	IMAPサーバとしては広く使われています。 SASLを使った安全な認証を行えますが、この場合 メールのユーザIDはUNIXのIDと別のものとなります。 また、独自のスプールに入れますので、従来のmbox形式の ツール群は使えません。
courier-imap	qmailのMaliDirのスプールを扱うことのできるサーバです。

お勧めの組み合わせ

以下は私自身が考えるお勧めの組み合わせです.

	IMAPを使わない	IMAPを使う
UNIXシェル上で メールは扱わない	qmail postfix	postfix + cyrus-imap qmail + courier-imap
UNIXシェル上で メールを読む	postfix + qpopper	postfix + wu-imap
上記でできない 細かな制御が必要	sendmail + qpopper	sendmail + wu-imap

qmailのMailDirのスプールではbiffやshellのメールチェックや 他のUNIX上の豊富なツールが使えない場合があるので、 UNIXシェル上でメールを読むことがある場合はmbox形式のサーバを お勧めします. またスプールの形式がmbox形式かMailDir形式かで smtpサーバとimapサーバの相性があります。さらに cyrus-imapでSASLを使う場合のようにUNIXのログインIDと メールのIDが異なる場合、UNIX上で利用するのには 不便が生じることがあります。これらを考慮して、 どれを使うか決定してください。

この他 MTA性能比較のページなどもごらんのうえ、どれを用いるかを 決定してください.